今月の作品紹介
白化粧の作品です。還元焼成しています。
最近は、還元焼成する回数が減ってきていますね。
電気窯での還元焼成は、窯の内部の雰囲気を一酸化炭素雰囲気にして、焼成します。
具体的には、950℃くらいから、窯の下部からプロパンガスの炎を吹き込み、窯の内部を還元雰囲気にします。
さて、還元雰囲気になると、どうなるのでしょうか?
簡単に言うと、粘土や釉薬に含まれる酸化金属から酸素を奪い取りますので、粘土や釉薬の色調が変わります。また、粘土自体をより緻密なものに変えます。
白化粧の場合、ほのかに赤い斑点ができたりします。非常に日本的な趣の作品になります!
ただし、この還元焼成。陶芸教室にとっては、色々と大変です!!
一つは、作品をびっしり詰め込めないことです。
このプルパンガスによる還元雰囲気を、窯の内部に均等に行き渡らせるために、
作品の周り、上部にある程度の隙間を空けてやらなければなりません。
作品数は、酸化焼成に比べ、2~3割減ですね。
もう一つは、一酸化炭素中毒の危険性ですね。気がついたときには手遅れ・・・・。
窯から吹き出してくると、空気に触れ燃えて、二酸化炭素になるはずですが、なかなか全てがそうなるとは限りません。
このため、換気が必要です。冬などは、ほんとに寒いです。
それと、プロパンガス。使用するガスの量は、たいしたことありませんが、定期的に容器検査が必要ですし、安全なハンドリングが要求されます。
また、還元状態は、窯から吹き出てくる炎の状態で判断しますが、それのチェック等で、基本的には、窯についていなくてはなりません。
せっかく、自動制御できるプログラム調整器がついていても・・・・
最近では、陶芸に使用する場合、プロパンガスを売ってもらえないことが、多いそうです。
私の場合でも、高圧ガスの資格を持っているにもかかわらず、しっかりと念書を取られました。
還元焼成は、いろいろと大変なのですよ!!
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