2012年05月11日
作品紹介・タジン鍋
I さんが作りました。タジン鍋です。
普通の粘土で作った鍋を、直火にかけると、急激な熱膨張で、割れてしまいます。
このため、耐火土を使って作ります。
耐火土は、熱膨張率の小さい粘土です。
熱膨張率を小さくするために、ペタライトと呼ばれる
アフリカ産の長石を、数10%混ぜています。
このため、粘土の価格は、ちょっと高いですね。
この耐火土、成形が難しいですね。
粘土の粘りというか、腰が無く、さっさと作らないとへたってしまいます。
また、鍋の場合、本焼きする温度も、100℃ほど低く焼くことが多いですね。
これは、粘土が堅く焼き締まらないようにするためです。
つまり、軽石をちょっと堅くした程度。
このため、非常に割れやすく、もろくなります。
又、使い始めるときも、ならしが必要です。
普通は、お粥でじっくり煮込み、微少な隙間を埋めます。
・・・・
・・と色々と、めんどくさいことを言ってきましたが、
最近では、新しい材料等も開発され、ホームセンターでは
丈夫で、安い鍋が、たくさん売られています。
古来からある、本物の鍋をほしい方以外は、費用も高くつきますし
教室では、作ることをすすめません。
しかし、教室では、大きな窯で焼くため、
一人のために、焼く温度を低くは出来ません。
どうしましょう??
2012年05月11日
作品紹介・抹茶碗
飴釉の抹茶碗です。Kさんが作りました。
Kさん、抹茶碗を作るのは2個目です。
どんな作品でもそうですが、繰り返し作ることで、
だんだん上手になっていきます。
楽茶碗風の、抹茶碗で、ちょっと小さめの茶碗です。
飴色が、抹茶を映えさせますね。
抹茶椀の世界には、その作り方に、色々な約束事があります。
私も、あまり詳しくはありませんが、
一応、それらしくは作っていますよ。
作り方は、玉作りによる手びねりです。
約700gの粘土の丸い塊から、作り上げていきます。
この作り方のおもしろいところは、
最初に取った粘土の塊だけで、大きな器にしていくところです。
粘土を足すこともなく、ひたすら、薄く、大きく延ばしていきます。
粘土は柔らかいので、なかなか、最初はうまくいきませんよ。
底の方から、無駄な土が残らないように、均一に延ばしていかないと
大きくなりません。
ある程度大きくなったら、型に被せて、少し固め、形を整えていきます。
翌週、削りの作業を行うのですが、
数種類の専用の削りの道具を使い、内外とも削ります。
この作業も又、ひたすら、削り込んでいきます。
抹茶碗作りは、本当に集中して、一心不乱の時を過ごせますね。